番組審議会議事録
第22回 名古屋テレビネクスト番組審議会 議事録
伊部裕之様、カツヲ様、茅原良平様、瀧一郎様、福島宏之様、益田祐美子様(50音順)
審議内容
第1部/事業の状況、番組編成について
第2部/番組審議会概要
(1)エンタメ~テレ☆シネドラバラエティ
『シン・オカルト倶楽部(公開配信回)』
(事業者:番組プロデューサー)~番組の企画概要を説明~
オカルト界の重鎮並木氏、ムー編集長の三上氏等々オカルト好きな著名人が集まってオカルトを楽しく語り合う番組で、オカルト界ではアイコン的な番組になってきたのではないかと思う。今回は生配信企画として、収録を「ツイキャス」で配信。視聴者側としても、通常は収録から放送まで2か月かかるところが、新鮮なうちに視聴できる。需要と共有がマッチした企画となった。
(審議委員)
エンタメ~テレの専門カテゴリであり、島田秀平さんのMC力から、三上さんや並木さん、角さんなどレギュラーメンバーのキャスティングのバランスの良さ等、安定感がある番組だった。事実とフィクションとの境界が難しいのがオカルトだと思うが、過度な演出は放送基準的にも厳しい中で、絶妙に楽しい雰囲気の中で時々鳥肌が立つというような、オカルトとバラエティ要素が融合する良い番組だと感じた。番組的には普段撮影している場所の雰囲気が適しているとは思うが、生配信用の特別回ということで、タイムラグが少ないのも良い。いつもの撮影場所から生配信ができれば尚良いと思う。
(審議委員)
島田さんのMCや、他レギュラー出演者の話や進行のうまさも見ていて気持ちが良い。子供の頃は地上波でオカルト番組をわりと観ることができたのもあり、懐かしかった。UMAや車のAIの話など、キャストの世代によって出してくるテーマも変わるのも面白い。難しいのは、今ほど情報がなかった時代には信じられたことが、話題にでた瞬間にネットで調べることができてしまう。人間の想像力を掻き立てつつ、本当かどうかわからないのがオカルトの面白さでもある。中々たどり着けない情報を知りたいという意味では、角さんが紹介した、科学と合わせたオカルト話は興味深かった。技術的には、音響効果、インサート等、もう少し取り入れても良いかもしれない。
(審議委員)
キャスティングが安定している。話の内容も、王道から今どきのAIなどまで様々あって良かった。また、この番組は音声だけでも聞けるかもしれない。じわじわ世界に引き込まれたり、興味をひかれる瞬間があり、胡散臭い話も面白く聞こえる。映像なしでラジオ的に音声だけでも逆に想像力が掻き立てられるかもしれない。構成的には、三上さんのような大御所が二番手にでるのは違和感があったので、話す順番は再考の余地はあるかもしれない。視聴者コーナーの内容をもう少し膨らませたり、生配信なので視聴者の反応が見える等、リアルタイム感を味わえる構成があっても良いかもしれない。
(審議委員)
出演者が安定している。尺もちょうど良いテンポで飽きずに視聴できた。出演者それぞれからバラエティに富んだ多種多様なテーマが語られ、面白かった。一点、UMAの話題で静止画像だけだったが、動画あれば尚良かった。視覚でも見てみたい。
(審議委員)
皆さん言われている通り、番組自体は何の違和感もなく見ることができ、良い構成だった。出演者のバランスがよく、持ち回りも良い。
(審議委員)
音声だけで聞いた。いびきの話や車のAIの話がとても面白かった。ラジオのように音声だけでも聴くことができた。会話の中で一枚だけでもパネルをつくってもらったら想像力が膨らんで、尚良いのではないか。
(審議委員)
・スカパーTMCのスタジオでの収録とのことで、通常とは異なる雰囲気・絵作りだったが、通常バージョンも見たかった気がする。照明が明るく、セットもこぎれいで、「オカルト」感は伝わりにくかったかもしれない。一方で、今回の配信収録回は明るい雰囲気で、楽しくバラエティ番組Likeなものに仕上がっていた。
・放送回の雰囲気が明るいこともあってか、個別の話題についてはそれぞれの出演者の皆さんからの報告・投げかけのみ、という形に見えた。「座談会」というコンセプトであればこういう形でも良いと思うが、もう少し深く掘り下げると更にマニアックな「倶楽部」的な雰囲気の番組に仕上がるのではないかと感じた。
・最初のいびきアプリ以外は、「怖い」という要素が強く出ているものではなかったのと、皆さんのトークの軽快さのおかげで、番組を通じて楽しく拝見することができた。
(2)ダンスチャンネル
『B-boy列伝~マシーン原田~』
(事業者:番組プロデューサー)~番組の企画概要を説明~
パリ五輪でブレイキンが採用されたことを機にブレイキンの番組を制作した。ドキュメント的なものにしようと、ブレイキンのシーンを築いてきた人々を取り上げており、今回が3作目となる。
(審議委員)
マシーン原田さんは番組を通して初めて知ったが、古い映像などもふんだに使われおり、ストリートダンスの歴史と進化を記録する貴重な映像資料になっていた。ドキュメンタリーとしての完成度も高く、30分の中によく濃縮された構成だった。これまでの苦労がリアルに沁みてくるようないくつかの発言にも感動し、他の2作も見てみたい。多くのB-boyが今後もでてくると思うので、これからも良い番組作りを頑張っていただきたい。
(審議委員)
これまでダンスチャンネルの審議対象にあがっていた番組は、若者のチャレンジだったり、ダンスそのものを魅せるような番組が主だったが、ダンスの歴史にも興味がでてきたところだったのもあり、面白かった。若い人にとって「ダンス」はメジャーなものかもしれないが、当時ダンスというジャンルがお金にならない時期から自分でイベントをしかけたり、努力の裏が見えたのも感動的だったし、番組の価値を感じた。場を提供する人、パフォーマンスをする人、表と裏の人間がお互いに尊敬しあって活動をしてきた点も感じられて良かった。
(審議委員)
・完成度が高い番組だった。ダンスというジャンルに詳しくなくても、番組を通して魅力的な人との出会いを得られるお得感や共感を持てる番組だった。還暦を迎えるまでダンスに取り組んできた方なので、端々のエピソードが印象に残り、発するメッセージ、言葉も心に残るものがある。元気をもらえた。
・半生を辿る中でどうやってストリートダンスが日本に広がっていったのかといったマシーン原田さんの功績から、ダンスパフォーマンス、日常の素の部分まで、凝縮されていた。このクオリティを維持して他の人も取り上げていってほしい。
(審議委員)
ダンスには詳しくないが、こういったレジェンドがいたということを初めて知った。本当にダンスが好きなんだなというのが番組を通して伝わってきたし、原田さんへのコメントをもらった人たちのメッセージも温かく、全体的に観ていて面白い番組になっていた。
ダンスは若者が中心なのかと思うが、こういった歴史が今のダンスを支えている、流れを作ってきたということを番組を通して知ってもらえればと感じた。
(審議委員)
素晴らしいドキュメンタリーを見せてもらえた。カメラワークも良いし、飽きさせない。何よりマシーン原田さんを選んだ人選、キャリアを余すことなく視聴者に見せる力量に感服した。原田さんご自身も、自分でフリーペーパーを作ったり、外国の有名ダンサーを日本に連れてきたりと情熱にあふれていて圧倒された。
(審議委員)
・ドキュメンタリー映画だと思って観た。劇場公開しても良いのでは。ドキュメンタリーは主役に魅力がないと番組の質が低下する。原田さんに人間力があったので最後まで惹きつけられた。今の若い人たちに見せてあげたい。人生の教訓になるような美しい言葉、心に残る言葉があった。
・気になったのは、ナレーションは良かったがもう少し少なくても良かった。インタビューの後ろにずっと音が流れていたので、人が話している最中は音をオフにしても良いのかもしれない。音があるところ、ないところのメリハリを。
(審議委員)
「B-boy」という単語から調べた。その位ブレイクダンスの事は理解していなかったが、この番組でいろいろな事がわかり、楽しく拝見できた。
ストリートダンスというと、アメリカがダントツに優れているのかと思っていたが、日本の方がある意味進んでいるというか、大会の運営においてはパイオニアだったという事を知り、すごいなと感じた。
原田さんは熱量のある、熱い方で、それが視聴者にも十分に伝わったのではないかと思う。このような方がいたからこそ、今のダンスがあるという事実は、より多くの人に知ってもらいたいと感じた。
60歳という年齢にも拘らず今でも練習に励み、後進を育て、仲間からも慕われているというのは素晴らしい人格者であると思う。ダンスという枠を超えて、視聴者にその熱量を伝えられる、良い番組だったと感じた。
以上